婦人科

対象疾患Target disease

気になる症状はありませんか?

月経痛・腰痛

性器出血

めまい、肩こり

頭痛・ホットフラッシュ

帯下(おりもの)

生理不順

以下のような婦人科系の病気の可能性
があります。

月経困難症

生理前から始まる腹痛、腰痛、頭痛

膣炎

かゆみ、痛み、帯下(おりもの)

子宮膣部ビラン

炎症や不正出血、子宮頚癌が発生する

子宮頸がん

「いぼ」のウイルスによる癌、
ワクチンで予防できる

子宮体癌

子宮内膜から発生、
不正出血がある

更年期障害

卵巣機能の低下による不定愁訴、
生活に支障をきたす

当院の診療について

婦人科健診は、女性特有の病気の早期発見を目的とした検査です。内診の後、子宮頸がんや子宮体癌の細胞診を受けることができます。ブラシで擦過して細胞を採取しますので痛みはほとんどありません。健康だと自覚している方でも、重い病気が見つかる可能性がある為、年に1回の定期的な検診がおすすめです。当院では子宮頸がん、子宮体癌、経膣超音波検査を受けることが出来ます。

婦人科系の病気についてGynecological diseases

機能性月経困難症

月経困難症は、子宮内膜症などに起因する器質性月経困難症と特定の疾患のない機能性月経困難症にわけられます。
思春期では、機能性月経困難症が多いです。
機能性月経困難症の痛みは、月経の初日および2日目頃の出血が多い時に強く、痙攣性、周期性で原因は頸管狭小やプロスタグランジン(PG)などによる子宮の過収縮です。
この痛みは排卵がない周期では出現することが稀で、排卵周期が確立されるのに伴って出現する。
文献では、初経後2〜3年より始まると記載されていることが多いがACOGのガイドラインなどでは初経の6〜12カ月後から始まるとされている。
痛みの原因となるPGは月経血を排出するために子宮内膜から産生され、PGにより子宮筋の過剰収縮とそれに伴う虚血性疼痛が発生します。
月経時にみられる悪心、下腹痛、下痢、頭痛などの全身症状は、PGとその代謝物質が体循環に流入することによって生じると考えられています。

器質性月経困難症

器質性月経困難症の原因疾患としては、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症などがあります。
思春期においては、器質性月経困難症として月経血流出路の狭窄を来すような奇形(非交通性副角を伴う単角子宮)がみられる場合があります。
これらの疾患は稀でありますが、見逃さないようにする必要があります。
器質性月経困難症は30歳以上、20~40歳代などと記載されているものが多いですが、最近では10〜20歳代での子宮内膜症も増加しています。
機能性月経困難症は年齢とともに妊娠出産とともに軽快すると説明されていること多いですが、女性のライフスタイルが変化し、妊娠出産の年齢が高くなっている現代において、思春期女子に対して機能性月経困難症が加齢にしたがい軽快する可能性を話してやり過ごすよりも、症状への対処や治療の選択肢、子宮内膜症のリスクなどをきちんと提示して対応するのが望ましいです。

不正性器出血

不整性器出血(不整出血)とは月経(生理)ではないときに出血が起こることを指します。
出血量が多い場合や長く続いた場合には貧血にもなります。
原因は萎縮性膣炎や子宮の病気(子宮ポリープ、子宮頚癌、子宮体癌など)やホルモンの異常など多く挙げられます。
診察では出血部位の確認をして、エコー検査、細胞診検査などが行われます。

帯下

体質的に子宮頚管からの分泌物が多い人は日頃から帯下(おりもの)感を覚えるものですが、けして病気ではありません。
また、帯下は正常の女性でも月経周期の中頃(排卵期)には増加します。
病的帯下の原因として最も多いものは「膣炎」です。
帯下の原因としては他に「頚管ポリープ」や「膣部びらん」さらに「子宮癌」などがありますが、ここでは膣炎を中心に解説します。

カンジダ膣炎

ヨーグルトやチーズの粕のような帯下と外陰部の痒みは「カンジダ膣炎」の症状です。
カンジダとは真菌(カビ)の一種で、健康な女性の膣の中にもしばしばみられる病原体です。
これが体の抵抗力が落ちた時や、抗生物質などの薬をたくさん飲んだ時、妊娠中などに繁殖して膣や外陰部の炎症をおこすのです。
糖尿病の患者さんなどはこうした炎症を繰り返すことがあります。
また、ステロイドホルモンの入った薬はカンジダ感染を悪化させます。
カンジダに対する治療は抗真菌剤の膣坐薬やクリームなどの局所療法が主体です。

トリコモナス膣炎

黄色く泡立つような帯下と痒みは「トリコモナス膣炎」の特徴です。
トリコモナスは原虫とよばれる微生物で、セックス以外の経路で感染することもありますが、性行為感染の病原体として重要です。
帯下を顕微鏡で観察することだけで、たいていは診断可能です。
治療法は駆虫剤の膣坐薬や内服薬などです。

クラミジア感染

水っぽい時に膿のような帯下は「クラミジア感染」による炎症でおこることがあります。
クラミジアとは細菌の一種ですが、近年若年者を中心に流行している性行為感染症です。
クラミジア感染の検査には、子宮頚部の細胞を綿棒で採取して病原体の有無を調べる方法や、血液検査で抗体を測定する方法があります。
治療には抗生物質の内服が必要です。

萎縮性膣炎(老人性膣炎)

閉経後に起こる膣炎の多くは「萎縮性膣炎(老人性膣炎)」とよばれるものです。
これは卵巣から分泌される女性ホルモンの低下によって、膣の壁が弱くなって炎症をおこしたものです。
帯下や外陰部の痛み、痒み、時に出血などの症状を呈しますが、女性ホルモンの膣坐薬や内服薬などが奏効します。

上記以外の膣炎はいわゆる「雑菌」によるものがほとんどです。抗生物質の膣坐薬などの使用が効果的です。

更年期障害

閉経とは、卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。
月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としています。
日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では 40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。
閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。
更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。
更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが(図1)、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。

症状

ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗、めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど
気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など

治療

更年期障害は身体的因子・心理的因子・社会的因子が複雑に関与して発症しますので、まず十分な問診を行うことが必要です。
その上で生活習慣の改善や心理療法を試み、それでも改善しない症状に対して薬物療法を行います。
更年期障害の薬物療法は大きく3つに分けられます。

ホルモン補充療法(HRT)

更年期障害の主な原因がエストロゲンのゆらぎと減少にあるため、少量のエストロゲンを補う治療法(ホルモン補充療法:HRT) が行われます。
HRTは、ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状に特に有効ですが、その他の症状にも有効であることがわかっています。
エストロゲン単独では子宮内膜増殖症のリスクが上昇するため、子宮のある方には黄体ホルモンを併用します(エストロゲン・黄体ホルモン併用療法)。
手術で子宮を摘出した方には、黄体ホルモンを併用する必要はありません(エストロゲン単独療法)。
HRTに用いるホルモン剤には飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあり、またその投与法もさまざまです(図2)。
よく話し合いながら、その人に合った最適な治療法を選択していきます。
HRTに関しては、一時乳がんなどのまれな副作用が強調される傾向にありました。
しかし最近になって、 更年期にHRTを開始した人では心臓・血管の病気や骨粗鬆症など老年期に起こる疾患が予防できるという利点が、再び見直され始めています。

漢方薬

漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、全体的な心と体のバランスの乱れを回復させる働きを持ちます。
多彩な症状を訴える更年期女性に対しては、「婦人科三大処方」とも呼ばれる当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯 苓丸を中心に、さまざまな処方が用いられます。
比較的体力が低下しており、冷え症で貧血傾向がある方に対しては当帰芍薬散を、比較的体質虚弱で疲労しやすく、不安・不眠などの精神症状を訴える方に対しては加味逍遥散を、体力中等度以上でのぼせ傾向にあり、下腹部に抵抗・圧痛を訴える方に対しては桂枝茯苓丸を、それぞれ処方します。

向精神薬

気分の落ち込み・意欲の低下・イライラ・情緒不安定・不眠などの精神症状が最もつらい症状である場合には、抗うつ薬・抗不安薬・催眠鎮静薬などの向精神薬も用いられます。
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などの新規抗うつ薬は副作用も少なく、またほてり・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状にも有効であることが知られています。
女性の平均寿命が90歳に近づきつつあるわが国において、更年期は人生の折り返し地点です。
この時期に起きる様々な問題をかかりつけ産婦人科医と二人三脚で上手に乗り越えて、第2の人生を明るく幸せに過ごしましょう!

エストロゲン単独療法、エストロゲン・黄体ホルモン併用療法

担当医師紹介・予定表Doctors & Schedules

太田 博明
太田 博明
太田 博明
専⾨

婦人科

資格・所属学会

・日本骨粗鬆症学会(元理事長、名誉会員、認定医、骨粗鬆症診療連携システム構築委員会委員)
・日本抗加齢医学会(元理事、監事、専門医、広報委員会委員、連携委員会委員、渉外委員会委員)
・日本女性医学学会(元理事・監事、名誉会員、女性のヘルスケア専門医)
・日本産科婦人科学会(元評議員、名誉会員、専門医)、日本内分泌学会(功労評議員)
・日本骨代謝学会(元理事・監事、評議員、骨粗鬆症患者QOL評価委員会委員)
・日本更年期と加齢のヘルスケア学会(理事長)、日本婦人科腫瘍学会(功労会員)
・日本女性心身学会(名誉会員)、日本骨形態計測学会(名誉会員)
・日本エンドメトリオーシス学会(顧問)、日本予防医学会(評議員、認定医・指導医)

診療時間
午前8:30~12:00 × × × 9:00~11:30まで × ×
午後14:00~17:00 × × × × × ×

上記予定は変動する可能性があります。
詳しいスケジュールはこちらよりご覧ください。

野上 一郎
野上 一郎
野上 一郎
専⾨

婦人科

現職

産婦人科専門医

資格・所属学会

日本産婦人科学会所属 産婦人科専門医(昭和53年~令和5年4月)

診療時間
午前8:30~12:00 × × × ×
午後14:00~17:30 × × × × × ×

上記予定は変動する可能性があります。
詳しいスケジュールはこちらよりご覧ください。

森本 裕美子
森本 裕美子
森本 裕美子
専⾨

婦人科

現職

川崎医科大学産婦人科臨床助教

資格・所属学会

・日本産婦人科学会
・日本婦人科腫瘍学会
・日本ロボット外科学会
・日本内視鏡外科学会
・日本生殖医学会
・日本産科婦人科内視鏡学会
・厚生労働省緩和ケア研修会
・日本周産期・新生児医学会(新生児蘇生法「専門」コース Aコース)

診療時間
午前8:30~12:00 × 9:30~11:30まで × × × ×
午後14:00~17:00 × × × × × ×

上記予定は変動する可能性があります。
詳しいスケジュールはこちらよりご覧ください。

岡本華
岡本華
岡本華
専⾨

婦人科

資格・所属学会

日本産婦人科学会所属

診療時間
午前8:30~12:00 × 9:30~11:30まで × × × ×
午後14:00~17:00 × × × × × ×

上記予定は変動する可能性があります。
詳しいスケジュールはこちらよりご覧ください。

医療設備紹介Medical facilities

診察台
診察台
超音波検査装置
超音波検査装置

キャノンAplio go